イタコ捜査官メロディ
浅草の寺院で住職の死体が発見された。見識の結果によれば鈍器のような物で頭を叩かれたのが死因だという。殺人事件の可能性が濃厚だが、住職の死体があった部屋は完全な密室で、人の出入りはなかった。警視庁捜査一課に配属されたばかりの新人、鈴木一郎はこの難事件の捜査に当たるが、ベテランの村岡警視が「これは特別捜査官に頼むしかない」と言い出す。その捜査官は民間人だが、死者の魂を自分の肉体にやどらせるという秘技があり、その能力が必要とされたときだけ、警視庁が特別捜査官として任命するのである。その人の名は「イタコ捜査官メロディ」・・・。
鈴々舎馬るこ、自作の一席である。噺の前半は刑事ドラマ風に展開するが、後半、メロディが登場してからは一転、妖しいムードが横溢。何度も横道にそれながらの捜査が展開される。メロディが死者の霊を憑依させるシーンでは、馬るこ自身がギター演奏と歌声でメロディの「口寄せ」を表現。下座(音楽)が入る落語は数多くあるが、落語家自身がギターをかき鳴らす演出は珍しい。新スタイルの音曲噺である。そして馬るこの妙に流麗な歌声が、噺の世界にミスマッチな効果をあげている。
https://content-public.rakugo.ch/images/episode/spot_image/000/000/000/192/192_episode.main_image_large.jpg
https://rakugo.ch/play/192
2018-06-06T12:00:00+09:00